【6月】小池
(『看図読古詩(修訂版)』, 金盾出版社, 1994年より)
【大意】
小さな蓮池には一つの泉の湧き出し口があり、泉の水は音もなく細々と流れており、あたかも泉口がそれらを惜しんでたくさん流したくないようである。また木の影は池に照り映え、この晴天の柔らかな景色を好んでいるようだ。蓮の花はまだ若々しい蕾が水面から出たばかりだが、早くもトンボが飛んできてその先に立っている。
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楊万里(1127~1206)は陸游・范成大らとともに南宋四大家の一人に数えられており、その詩風は自由闊達で、発想も奇抜で俗語なども多く取り入れています。この詩は中国の小学生が低学年で学ぶ詩の一つに数えられ、その情景が目の前に浮かぶようです。初夏の暑さと涼しさの入り混じった空気が伝わってきますね。