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毎月一首


【10月】山居秋暝


(『看図読古詩(修訂版)』, 金盾出版社, 1994年より)

【大意】
 秋の静かなもの寂しい山に、サアーッと雨が降り、そして上がったばかり。雨上がりのあと、澄んだ気配は夕暮れにいよいよ清らかに、秋らしくなる。松の葉ごしに照る月の光、石の上をサラサラ流れる清らかな泉の流れ。竹林の向こうに何やらにぎやかに話し声が聞こえて浣女が帰ってゆき、入江の蓮が動いて、漁舟が川を下ってゆく。(この山居の様はかくのごとく素晴らしいから)春の花は勝手に散ってしまうがよい。王孫は春の草花が枯れ尽きようと、そんなことにはかまわずここに留まるだろう。
(石川忠久編『漢詩鑑賞事典』講談社学術文庫,2009年より)

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 王維(699~759)は宮仕えの傍ら、都の郊外の?川荘で隠逸の生活を楽しみ、これもそうした隠者の歌をうたったものの一つで、秋の夕暮れの情景を描いたものです。わびの中につやを織り込んだ王維独自の世界が表れています。
 雨上がりの夕暮れ、松の葉、月の光、石の上を流れる清らかな泉の水という何とも透明感あふれる景色の中、美しくうら若い娘たちがさざめきながら竹林の向こうを通るという、色彩と音と何とも言えない艶っぽさが感じられます。
 王維の詩は爽やかで透明感のあるイメージが強く、読んでいてとても心地よい感じがします。
 

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