【7月】蜂
(『看図読古詩(修訂版)』, 金盾出版社, 1994年より)
【大意】
平地であっても山の頂上であっても、限りなく美しい景色のところは、ことごとく(蜂によって)占められている。多くの花から採って蜜となった後、誰のために(苦く)苦労して、誰のために甘く心地よいのだろう。(「詩詞世界 碇豊長の詩詞」より)
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羅隠(833-909)は五代・梁の文人。呉越・新城の人或いは銭塘・余杭の人といわれます。
これは諷刺の詩で、蜂は農民を比喩し、農民は一生苦労し、労働の果実は労働せざる者のために享用される不平に対する憤慨を表わしています。そう考えると、この蜂は、今で言うならサラリーマンのお父さんの悲哀でしょうか。
話は変わりますが、この頃新種の蜂の被害がよく聞かれます。夏休み、どうぞくれぐれもお気を付け下さい。