【5月】郷村四月
(『看図読古詩(修訂版)』, 金盾出版社, 1994年より)
【大意】
山も野原も緑一色だが、河原だけが白い。ホトトギスの鳴きしきる中を、煙るような雨が降る。農村の四月は、それこそ猫の手も借りたい忙しさで、蚕の仕事が済んだかと思うと、今度は田植えだ。
(松枝茂夫編『中国名詩選』下 岩波文庫,1990年より)
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翁巻(? - ?)、字は続古、また霊舒。永嘉(今の浙江省温州市)の人。永嘉四霊の一。
農村の忙しい今の時期の様子が、目の前に見えるように描かれています。
それにしても、水を張った田んぼに、植えたばかりの苗が風に揺れ、キラキラと太陽や月に照り映える風景は、本当に美しく、風情がありますね。