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毎月一首


【12月】別董大


(『看図読古詩(修訂版)』, 金盾出版社, 1994年より)

【大意】
 千里のかなたまで黄色い雲が一面にたれこめ、太陽も淡く薄れている。雪の下を行く雁に、冷たいい北風が吹きつけ、雪が千々に乱れて降りしきる。悲しみたもうな、これから旅先に自分を理解してくれる人がいないと。この天下に、琴の名手の君を知らぬ者などいはしない。
(石川忠久編『漢詩鑑賞事典』講談社学術文庫,2009年より)

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 以前もご紹介したことのある詩です。作者の高適(?~765)は滄州渤海(山東省浜州)の人。字は達夫。若い時は気ままで正業に就かず、任侠をこととして博徒などと交わっていたが、「年五十にして始めて詩を作ることを学び」、たちまち名声を揚げたといわれています。
 この詩は音楽家の黄庭蘭が琴を抱いて放浪の旅に出る身の上を慰める歌とされています。前半の大変もの寂しい光景、その中を見知らぬ土地を訪ねていくさすらい人の心は不安に満ちているはずですが、一転して後半二句では、「心配するな、どこへ行っても君は温かく迎えられるよ」と呼びかける作者の励ましの言葉は、そんな不安や心細さをフッと包んでくれるような優しさに溢れています。
 北風と大雪の降る中で友人を見送る中、相手を思う気持ちはとても温かく思いやりに満ちている様子が伝わってきて、グッときますね。

 

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