【11月】絶句
(『看図読古詩(修訂版)』, 金盾出版社, 1994年より)
【大意】
二羽のうぐいすが緑の柳で鳴き、一列になって白鷺が青空を飛んで行く。窓には西嶺の万年雪が、まるではめ込んだように見え、門には、東方の呉からはるばる万里もの航海をしてきた船が泊っている。
(石川忠久編『漢詩鑑賞事典』講談社学術文庫,2009年より)
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前半・後半とも、とてもきれいな対句で、数字も、色も、そして方角も、ぴたっとはまっていて、まるで一服の絵を見ているようです。また、緑に山、舟に川、鳥に空…と、動きと広がりが想像され、とても広大な印象を受ける、実に整った、立体感のある、スケールの大きい詩です。正に詩作する際の、お手本のような詩ですね。