中国語の部

→中国語の部トップページへ戻る

毎月一首


【10月】出塞


(『看図読古詩(修訂版)』, 金盾出版社, 1994年より)

【大意】
 秦の頃にも照っていた明月、漢の時代から置かれている関所。今も昔も変わりがない。万里も遠く長征して夫はまだ帰れない。ただ漢代に、竜城の飛将軍と恐れられた、かの李広将軍のような名将がいたならば、えびすの敵兵に、陰山山脈をこえて侵入するようなことはさせないものを。
(石川忠久編『漢詩鑑賞事典』講談社学術文庫,2009年より)

* * * * * * * * * * * *

 北方モンゴルを舞台にした風刺性に富む辺塞詩です。唐の詩人が唐王朝のことをいう時、時代を漢に取るのが通例であり、ここにある「飛将」とは前漢の将軍李広のこと、匈奴に怖れられたとのことです。明月は昔も今も変わらないが、名将がいない為、北方異民族の脅威に十分な効果が上げられないことを、兵士の妻の口調で風刺の意味を込めて語っています。ここには、時空を超えたスケールや、昔も今も変わらぬ明月と夫の帰りを待つ妻の気持が強く深く伝わってきます。月は、人々の色々な思いを受け止めてくれるものですね。

 

→中国語の部トップページへ戻る

当学院は
ケイコとマナブ」に掲載中です。

ケイコとマナブ.netへ

生徒の声

資料請求はこちら

直営サロンのご案内ページへ

中国留学日記 中国語の部受講生の留学日記